奥さんのぼやきブログ

夜型主婦。雑記を書いてます。同じようなことをいつも考えてるので似たような日記を書くかもしれません。

変人偏屈列伝を読みました

変人偏屈列伝 (集英社文庫―コミック版)

変人偏屈列伝 (集英社文庫―コミック版)

Amazonポイント(ギフト券)がたまったので、以前から読みたかった荒木飛呂彦先生の短編集をまとめ買いしました。

古本だと1円から販売されていて、そこに送料がかかって1冊300円くらいで買えたりします。

地元のブックオフで買うよりもかなりお得なので、よく使ってるんです。


今回は「変人偏屈列伝」「魔少年ビーティー」「岸辺露伴は動かない」「ゴージャスアイリン」「バオー来訪者」を購入し、「変人偏屈列伝」をまず読むことにしました。

作者は荒木飛呂彦となってますが、荒木先生の漫画は6話中2話だけで、他は元アシスタントの鬼窪浩久さんという方が書いてます。


鬼窪さんが作画担当で、原作と構成が荒木先生のようです。


本書で一番古い作品が連載された当時(1989年)、荒木先生は忙しくて作画まで手が回らなかったようですね。

Amazonレビューでは荒木先生の作品が少ないこともあり評価が低めでしたが…ファンの感情としてはしょうがないかと思います^ ^;

前々からAmazonレビューでこの情報は得ていたので、その辺は納得してました。

作画は荒木先生じゃないとはいえ、歴史上の偉人ではなく変人を取り上げた点が面白そうだったので、買うことにしたんです。


よくわかりませんが原作・構成っていうと、作画以外は荒木先生が手掛けてるんでしょうし…。

作画は荒木先生じゃないとしても、内容は面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。

実話を元にしたフィクションというのが信じられないくらい、みんなキャラが濃かったですw

さすが荒木作品の登場人物といった感じです。

ジョジョはモブキャラでさえ濃いですからね…

一番最初に収録されている野球選手タイカップなんて、チーム内で暴君ぶりを発揮するので、全員から嫌われてたのに偉大な記録を立てたそうです。

嫌われつつも、畏れられていたというか。かなり前向きに言って悪のカリスマというべきか…。

彼が立てた記録は未だに破られていないものも多いらしいです。


人間とチンパンジーの混血と言われるオリバー君を日本に連れてきた康さんというプロモーターは、ぶっ飛んだ企画を実際にやってヒットを続け、富を築いたそうです。

康さんはたしかに変人ですが、現実味があります。
実際、本人に会って取材もしたそうです。

最後に収録されていた、エジソンのライバルだったニコラ・テスラについては、偶然前日にBS世界のドキュメンタリーで見て知っていました。

彼は交流電気という、現在使われている電気エネルギーのほとんどを発明した人です。

交流電気は理科の実験でやった記憶がありますが、全然ピンと来ませんでしたw


晩年は地球を電流で真っ二つにできる、と言ったり丸くてすべすべしたものをとんでもなく恐れたり、といったエピソードもありますが変人というより隠れた偉人ですね。

そんなこと言ったらエジソンも十分変人ですし。

この作品は鬼窪さんと、同じくアシスタントの藤井さんが共同で作画をしていました。

おそらく藤井さんがメインで描いていたと思われますが、劇画風のジョジョ1部のタッチで見やすい絵でした。

鬼窪さんの絵は、ちょっと自分には合わなかったです(^^;

特に初期のタイカップの話では登場人物の筋肉の作りがガタガタで、なんでこの人に作画任せたんだろうっていうレベルでした。

そして、女性の裸がやたらリアルでエロいと思ってたら、現在成人誌で連載を持ってる人のようで納得しました。


さて、肝心の荒木作品です。

荒木先生は家を改築し続ける未亡人の話と、腸チフスの保菌者で周りに腸チフスを広めたメイドの話を、作画まで手がけてました。

この2つは安心して読めました!

家を改築し続ける未亡人の話は、まさに実話を元にしたフィクションで、南北戦争の犠牲者の呪いが描かれていました。

呪いから身を守るためには素顔を隠して、家の改築を朝から晩まですることを占い師に指示されて、指示通りに改築し続けたらしいです。

彼女の館は現在もあるようで、観光地になっていますが、改築しすぎて、携帯を持ったガイドがいないと一生外に出られないらしいです。

じゃあガイドは最初は一体どうやって出てきたのか、って疑問ですがw

チフスを広めたメイドは、ことごとく周りが腸チフスになって死亡していたので、殺人で逮捕されます。

でも、意図的に感染させたわけではなくて本人は菌を持っているにも関わらずいたって健康なんですよねw

釈放されても隔離されて、このメイドのために法律ができたこともあるらしいです。

コメディ…ってわけでもないですが内容的に軽くて読みやすかったです。

未亡人とメイドの話を描いた頃は2002年ごろで、私が一番好きな画風の頃なのでより楽しめました!


ちなみに、荒木先生の2作品はカバーにもなってます。


しかも、文庫ではリバーシブル。豪華!
リバーシブルなだけに、紙もしっかりしてます。


原作と構成が荒木先生とはいえ、やっぱり肝心の絵が見たいです。

今回、頭の中では荒木先生の絵だったらこういう感じかなーなんて補完しながら読んでいました。

他の作品も、余裕がある時でいいから荒木先生が改めて作画まで描いてくれるといいなぁ…なんて思います。


本日もありがとうございました(^^)